いつかきっとがもう間近

現のこと、夢のこと、

踏切りの記憶

忘れていた。そう、彼は怒りっぽい人だった。

え、何故、そこで怒るの?と疑問に思っていたほど、いきなり怒った。

 

けれど、その怒り方がとても悲観的で捨て身だったので、彼をこんなことで怒らせてはいけない、と反省した。

 

きっと、と想像していた。きっと、彼は自分の感情や感覚を表現することに慣れていないのだろう、と。感情や感覚を口に出すことを嫌っていたのか、はたまた、感情や感覚を表現したことによって成功した体験が少ないのか。

 

そんなことを昔、思っていたことすら忘れていた。思い出したのは、踏切りにひっかかったせいだ。踏切りをなんこも横切っているうちに、怒っていた彼の顔を突然思い出した。それは、楽しい発見だった。