いつかきっとがもう間近

現のこと、夢のこと、

昔考えていた70歳という年

 昔、とても好きだった人がいた。わけあって、どうしても決別しなければならなかった好きな人がいた。もう二度とあえない、と思うと涙がとまらなくなり、生きていく糧も見えなくなり、心臓を脱穀機ですいたような痛みがはしった。

 でも、どうしても別れないといけなくなって、つい口に出た言葉が、

「70歳になったら、また会いましょ」だった。

 それから何十年か経った今も、ぼうっとしていると、とても好きだった人を思い出す。彼は私の夢だった。もう、このまま会えないかも知れない。もしかすると、寿命が尽きるかも知れない。そう思うだけで、今でも心臓が鷲掴みで剣山に押し当てられているような痛みを感じる。この痛みがある限り、とても好きだった人に70歳になったら会えるような気がする。