いつかきっとがもう間近

現のこと、夢のこと、

お正月さん、さようなら

 長い休みだった。どこに行く計画もなく、場当たり的に動いて刹那的に楽しんだ良い正月だった。

 高級レストランでフルコース、ひとりあたり1万円超え。イタリアビールを飲みすぎて、メインの魚料理からラストまで胃の膨張で苦行だった。だから、これは少し失敗だったかな。でももし行っていなければ、いつかきっとの夢物語が増えていただけなので、行ってよかった。

 せっかく冬用タイヤに履き替えたのに雪道を走っていないという夫の申し出で、急遽、北に向かって車を走らせた。きっと雪がなくてもスキー場なら人工造雪機で雪をつくってるよ、その周囲は気温が低いはずだから、雪がとけていないにちがいない、という夫の言葉を疑いもしなかった。

 すごいな、こんなに温かいのに雪を作っちゃうんだ、私は北にある一際高い山に白い滑走路らしき尾根を発見して興奮した。1時間近くカーナビに案内してもらってたどり着いたスキー場は、確かに営業していた。だが、スキー場の全貌がまだ見えない山の坂道で見えたものは、駐車料金1000円という看板と料金所。

 いえ、私たち、滑りに来たわけではありません。ドライブで、雪道を走りたかっただけです。そしてできればスキーヤーにまぎれてお昼ご飯をいただいて、できればトイレにも寄りたかっただけなのです。それなのに、何にも見えないうちに1000円払わなければならないって、どうなのよ。

 結局、駐車場一歩手前でUターンして、来る途中で大きな看板に『学生リフト券半額、こども無料開放』と書かれた若干新しめのスキー場に行くことにした。走ること20分。駐車場も無料だった。広かった。だが、誰もいなかった。雪はひとかけらも無かった。

 ようするに、自然には逆らえないのだね。冬用タイヤを試すのはあきらめ、裏から高速道路のSAで『大朝ラーメン』を食して、近場の温泉に寄って日帰り温泉700円+タオル100円を払って高血圧に良いというお湯に浸かって帰った。それはそれで良き日かな。

 昨日は、まだ休みが残っているってんで、映画でも観るかとインターネットで検索しまくり、『君の名は』を遅まきながら観ておく必要があるんでない?ということになり、ちゃちゃっとネット予約して、ちゃちゃっとカード払いして観に行った。

 やはり、社会現象が起こるほどの映画って、すごくいい。何かすごくいい。すごくいいのに涙は出なかった。でも気持ちのいい映画だった。感情がゆさぶられるという類の映画ではない。自分の話ではないよ、他人の話だよ、だけどその人ってこんな恋愛してたんだって。へえ、そうなの。という感じだ。久しぶりに、疲れない映画を観た。

 明日から平常の生活が戻る。今年もちゃんと生きましょう。