いつかきっとがもう間近

現のこと、夢のこと、

スカイブルーが好きだった

f:id:nijiironoashita:20161216174305j:plain

お題「この色が好き」

 中学生の頃、好きだった色はスカイブルー。中学になって小さい傘から大きな傘に買い換えるとき、初めて自分で選んだ色がそれだった。なぜその色を選んだのかというと、晴れた空の色が大好きだったのと、その頃流行っていたグループサウンズのチューリップが『ブルースカイ』という軽快なリズムの爽快な歌を作っていて、そのサビでボーカリストが透き通った優しげな切ない声で「ブルースカイ」と何度も繰り返し歌いかけるところが傘売り場で見たスカイブルーとシンクロしたからだろう。それと理由はもう一つ。 

「あの人もこの青い空の下で頑張っていると思うと、ワタシも頑張れるわ」といった同じクラスで優等生の女の子。えっ!?っと真から驚いて、晴れ渡った青空と青空を仰ぎ見ている夢見る優等生の顔を交互に盗み見ていた強烈な思い出がある。あれは、中学2年の全学年登山大会のことだったと思う。田舎にふさわしく、その体力や身体能力に合せて何通りもの登山コースがあった。学年ごとに登山コースを決めて、お弁当と水筒と敷物が入ったリュックサックを担いで登っていった。どのくらい、登ったところだろうか。肺を口から吐き出しそうなくらい辛い山道だった。意識は朦朧として、喉はカラカラに乾いていた。いくら歩いても頂上に着く気がしなかった。もうだめだ、もうだめだ、と思いながらも一歩一歩、前を歩いている同級生の後について行った。そして、ようやく、前の方から「着いたー!」という声が聞こえ、まもなく私も風がよく通る頂上に到着した。すぐにへたりこんでいる私に、優等生の女の子は「大丈夫?」と親切に声をかけてくれた。

「ありがとう、でも、しんどかったー。あなたは大丈夫?」と、礼儀上、訊ね返した時の答えが「あの人もこの青い空の下で頑張っていると思うと、ワタシも頑張れるわ」というものだった。その時の空の色が、スカイブルー。優等生が好きだった「あの人」とは、足の短い部活の先輩のことだと知ったのは、ずっと後のことだったけど。スカイブルーを見ると、一番先に足の短い部活の先輩を思い浮かべるハメになってから、好きな色は他に変わっていったのだ。