いつかきっとがもう間近

現のこと、夢のこと、

夢の事

夢でもよかった話

秋祭り -想-

今年も秋祭りの時期になりました。中秋の名月も過ぎ、セイタカアワダチソウもススキも出揃ったら、祭り囃子が聴こえてきます。 故郷、というものがない私にとって、どこに行ってもヨソモンです。何年、同じ土地に住んでいてもヨソモン意識がぬぐえません。き…

風が吹いていた夜

風が吹くと、開いた襟首から冷たい夜の空気が体の中を駆け巡って、袖口から出て行く。そう、あの日もこんな風が吹く肌寒い夜だった。 白襟に紺色のワンピースに急いで着替えたのは、きっと彼が来る予感がしていたから。一番、お気に入りの服なら、きっと不安…

ひとりごと

新しいことを始めるのは、勇気がいるからね。勇気がない人は、ずっと同じ景色しか見えていないからね。同じ景色しか見ていない人は、しなやかでないからね。しなやかでない人の隣りにいると、束縛されるからね。束縛されると嫌悪感が増えるからね。嫌悪感が…

踏切りの記憶

忘れていた。そう、彼は怒りっぽい人だった。 え、何故、そこで怒るの?と疑問に思っていたほど、いきなり怒った。 けれど、その怒り方がとても悲観的で捨て身だったので、彼をこんなことで怒らせてはいけない、と反省した。 きっと、と想像していた。きっと…

空を眺めていた、その気配に。

よもや誰も、わかりはしないだろう。ほんの些細な空気の動き、 雨の匂いがするような、涙の香りがするような、 そんなほんの一瞬の気配で、時間が巻き戻る。 感情が動き出す。 本当のことを知って何になるのだ。 夢でいいではないか。 真実なんて、ろくなこ…

いつも夢を見ていた

人ごみの中、見つけた 目と目が合った 確かに認めた 何気なく近づき合い 小さく驚き 自然に並んだ また夢をみた 夢の中は居心地がよく とても幸せだった また会いましょう

知っていましたか?

最近、あまりいいことがありません。きっと、今まで 善い行いをしてこなかったせいかも知れません。もう、 会えないのかも知れません。それが普通のことなのかも知れません。 どうしたいのか、どうするのか、決めるのは私ではなく、その日の風の温度です。 …

桜はなくなっていた

あの桜の木はもうありませんでした。何十年も経つと土地も地形も変わるのでしょう。でも約束したあの桜の木は何十年もその場にあってほしかったです。 知っていましたか? あの日、桜の木を見ながら約束していたとき、私が描いていた将来の夢を。 そしてずっ…

過呼吸

胸が苦しいのは過労のためではない。意地の悪い同僚のせいでもない。 肺の中に酸素がうまく取り込めなくて、浅い呼吸が何度か続くと苦しくなっていく。 原因は一つではなく、小さなひっかかりが沢山積み重なっている。 なにがなんだかわからない大きなわだか…

昔考えていた70歳という年

昔、とても好きだった人がいた。わけあって、どうしても決別しなければならなかった好きな人がいた。もう二度とあえない、と思うと涙がとまらなくなり、生きていく糧も見えなくなり、心臓を脱穀機ですいたような痛みがはしった。 でも、どうしても別れないと…

運命

最近、前よりかは自分の意見がスッと人前でも言えるようになった。それほどはっきりと言葉として意識していなかったが、自分がその対象についていかに考えているかということを口にしたら、他人に責められるまたは他人を傷つけると思っていた節がある。でも…

やっぱり

久しぶりに同じ場所に帰っていった。店に入ると、狭く勾配のある廊下を歩いて隣りの館に急いでいた。なぜ急ぐのかわからなかったが、なにか予感があった。いきなり手首をつかまれて、「ごめん、待たせて」と彼の声。私は手首を無理やり放し、小さく手のひら…